必ず上達 ソケットプリザベーション
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3~4mm以上歯肉は,5~7mm以上1mm以上4mm10mm6mm4mm第一大臼歯の近心10.44mm第二大臼歯の近心10.17mm第一大臼歯の遠心10.24mm第二大臼歯の遠心9.84mm下顎大臼歯の歯槽骨の頬舌側幅(文献1)より改変)⑦メンブレンの設置と骨の補填38図14 非吸収性メンブレンの調整時の考え方.近心:隣在歯と最低1mmあける(赤矢印).歯間乳頭の幅が1mmないこともあるので,その時は乳頭の幅に合わせるが,きちんと治癒しないこともあるので,吸収性メンブレンの選択肢をとる場合もある.場合によっては,遅延型ソケットプリザベーションを選択することもある.遠心,頬側,舌側:欠損部から最低3〜4mm(青矢印)のばす.軟組織縁からはさらに生物学的幅径分の+3mmほど(5〜7mm:緑矢印)覆うことになる.メンブレンを安定させるためには,この範囲は大きい方がよい.メンブレンの頬舌的長さ:下顎第一大臼歯の歯槽骨の頬舌側幅は約10mm(薄紫矢印)で1),頬側と舌側にそれぞれ3〜4mm(青矢印)必要.その合計は16〜18mmとなる.12×24mmサイズのメンブレンを使うとすると,長径が24mmなのでまだ6〜8mmは余裕がある,つまり頬側または舌側の裂開状欠損があった場合,約6mmまでの欠損深さ(黒矢印)であればこのメンブレンで対応できるということである.メンブレンの近遠心的長さ:12mmの短径があれば,通常大臼歯でも十分である. サイトプラストの取扱説明書では,メンブレンを欠損部から最低3〜4mmはのばすように記載されているが,延長部は長い方がメンブレンは安定する. メンブレンを設置する時に,骨補填の前にまずは頬側か舌側の粘膜下にメンブレンを挿入して置いておくが,ポイントとしては入れにくい方から入れると対応しやすい(図15,16).理由としては,この後,骨補填材料を填入していくわけであるが,最後にもう片方を規定の場所の粘膜下に挿入する時に,入れにくい端が残っていると骨補填材料で術野がわかりづらくなり,さらに挿入が難しくなってしまうためである.つまり,どちらかの側を先に置いたために,骨補填のためのアクセスが困難となったり,術野自体が視覚的に確認しづらくなったりするような状況に陥りそうであれば,反対端から挿入することをおすすめする.メンブレンの表裏に関しては,吸収性メンブレンであっても,非吸収性メンブレンであっても,製品ごとのルールがあるのでそれを遵守する.サイトプラストの場合は,凹凸のあるザラザラの面を上(粘膜側)にする.骨補填材料は,基本的には抜歯窩周囲の骨(近心,遠心,頬側,舌側の既存骨)より水平的に上方には填入しないようにする.そのレベル以上の骨造成は期待できないためであり,逆に治癒が悪くなってしまう.中央部の軟組織は欠如しているので,周囲の骨上に骨補填をできるだけ行わずそのまま露出させてメンブレンと既存骨が接するようにしておく.裂開状欠損がある時は,欠損部周囲の既存骨を骨補填材料でつなぐように填入する.水平的には術後の収縮を考慮してややオーバー目に

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