印象採得および模型の製作模型のスキャンとCADによる設計CAMによるパターンの製作鋳造純チタン積層造形純チタン積層造形鋳造Ti-6Al-4V積層造形Ti-6Al-4V積層造形Ti-6Al-4Nb鋳造Ti-6Al-4Nb15フレームワークの完成図1 パーシャルデンチャーフレームワーク製作のデジタルワークフロー。図2 鋳造と積層造形による各種チタンの内部欠陥(赤点は内部欠陥を示す)。 現在、CAD/CAMによる補綴装置の製作は強度や精度を考慮して、その多くが切削加工によって行われている。しかし、補綴装置の大きさや加工材料によってはコスト高、切削屑の廃棄、低生産効率などさまざまな問題点も挙げられる。一方、3Dプリンターによる積層造形はこれまで切削加工では困難とされていたアンダーカットを有する複雑な形状や中空形態の製作も 有床義歯分野における補綴装置の製作にもデジタル技術が活用され、とくに全部床義歯においては、臨床応用が十分可能なレベルに達してきていると考えられている1。しかし、パーシャルデンチャーに関しては金属と高分子材料の組み合わせに加え、複雑な構成要素を一体化させる必要があり、主として設計やパターンの加工を含むフレームワークの製作に限定して利用されている(図1)。パーシャルデンチャーのフレームワークは当初、切削加工による製作が試みられていたが、微細な曲面やアンダーカットを有する複雑な構成要素も多いことから、切削加工よりも積層造形による製作が一般的になりつつある2。2018年4月にはCo-Cr合金粉末の積層造形使用が薬機認証されたことから、医可能にすることから、パーシャルデンチャーのフレームワーク製作に有用性が確認されている。しかし、パーシャルデンチャーのフルデジタル製作は未だ途上であり、精度や労力、コストなどを検証しながら試行錯誤が続いている。そこで本稿ではパーシャルデンチャー製作におけるデジタル化の現状と課題、今後の展望について概説する。療用造形物としての需要はますます高くなってきている3。また、生体適合性に優れているものの、鋳造製作が容易ではなかった純チタン、チタン合金に対してもCAD/CAM切削加工CAMによるフレームワークの製作鋳造フレームワークパーシャルデンチャーのデジタル製作 ―課題と展望―はじめにデジタル製作の現状
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