マンガでわかる!歯科臨床での動機づけ面接超入門
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アンビバレンス。相反する感情や態度。両価性のある患者の言葉のうち、現状維持につながるような発言のこと。変化することへの抵抗からくる。両価性のある患者の言葉のうち、変化につながる言葉のこと。大きく、準備段階のチェンジトークと実行段階のチェンジトークに分かれる(次章で解説)。もう ものすごく痛くてね世の中にこんなに痛いことがあるのか!って今までの患者さんにもみんなそれぞれ事情があった58このPCRじゃどんな治療をしても歯周病が進行すると思いますけど……正したい反射何のために定期検診を受けてたのかって!どうしよう……チェンジトークがぜんぜん出ないスケーリングの時間がなくなっちゃう あやかさんは、両価性の状態にある患者さんを一方的に説得せずに、正したい反射を抑え、患者さんとの不協和の状態に陥ることなく、患者さんとの人間関係の構築ができるようになってきました。のりこ先輩からMI中級者の段階、“方向づけのある面接の流れを作る”段階へ進もうと言われたあやかさんは、MIの特徴ともいえる“引き出す”段階に挑戦します。 MIの4つのプロセスのうち3番目にあたる、この引き出す段階から次の計画する段階へ向かう道のりは、坂を上っていくようにゆっくりで時間がかかることから、MIの丘とも呼ばれます。のりこ先輩が説明しているとおり、MIでは、患者さんが現状にとどまろうとする発言(維持トーク)、または変化しようとする発言(チェンジトーク)に注目し、医療者は、そういった患者さんの維持トークやチェンジトークに適切に応答して、よりチェンジトークを引き出します。患者さんの維持トークが減り、チェンジトークが増えていけば、MIの丘は上れています。ここは、医療者が患者さんの動機を引き出すプロセスということですね。計画の前には、患者さん自身の動機をしっかりと引き出すことが大切なのです。 「変わりたいけど、変わりたくない」という両価性をもつ患者さんが、変化に抵抗を示すこと自体はよくあることで、維持トークを話すのは正常な反応です。単純な聞き返し両価性(※第1章も参照)維持トークチェンジトークPART1 マンガで学ぶ 歯科医院でのMI定期的にR通っていたのに痛みが出てしまったと全部前の歯医者さんのせいにしてるしこの人の中に前向きな気持ちなんてあるのかな?それはおつらかったですねつらいよ〜でも……解説

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