PART1PART2PART4b図6b,c 術前デンタルエックス線写真.b:正方線撮影.上顎右側中切歯の歯根に吸収を疑う透過像を認める.c:偏遠心撮影.撮影方向の違いによって根管に対する吸収部,透過像部の位置が変化している.d図6d~f 術前CBCT画像所見.d:前頭断.根管中央部での吸収を認める.e:冠状断.口蓋側からの吸収していることわかる.また吸収部付近は垂直性骨欠損様の所見を示している.f:矢状断.円周方向への広がりは少ない.cef2PART3Movie図6a 術前口腔内写真.上顎左側中切歯の補綴装置脱離を主訴に来院.不良修復物,二次う蝕が見受けられる.図7 3年前のCBCT像.吸収は軽微なことから,現状は拡大傾向にあることがわかった.概要;検査,診断 患者は36歳,女性.上顎左側中切歯の補綴装置の脱離を主訴に来院された(図6a).デンタルエックス線写真を撮影したところ,上顎右側中切歯は歯根中央部に透過像を認めた.偏遠心撮影を行うと,透過像は歯根中央部から変位したため,内部吸収は否定的に考える(図6b,c). CBCT所見では,口蓋より明らかな外部吸収を認め,歯髄に穿孔していることがわかる.また,病変部の口蓋側は垂直性骨欠損様の所見を示している(図6d~f).3年前のCBCT所見と比較すると明らかな拡大傾向を示している(図7). 歯髄検査であるコールドテスト,歯髄電気検査ともに反応なく,歯髄の失活が疑われた.打診,咬合痛,根尖部圧痛はなく,根尖部の病的所見はない(表4). 吸収部は典型的なデンタルエックス線所見ではな侵襲性歯頸部吸収に対して非外科的歯内療法を行った1症例別冊the Quintessence 「マイクロデンティストリー YEARBOOK 2024」115症例供覧
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