マイクロデンティストリー2024
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PART1PART3PART4PART2図4 ₅の近心にラバ-ダム上から圧排糸を巻いて歯肉を押し下げ,縁下う蝕を除去した.₄は象牙質を覆うCRを残して,窩縁全周のエナメル質のみ露出させた.図6 ₅の象牙質部分の充填終了時.治療経過2回目 オーラ注歯科用カートリッジ1.8ml(昭和薬品,ジーシー)にて浸潤麻酔後,術野全体をユリー(ミクロン,ヨシダ)を用いて清掃した後,仮封を除去してラバーダムを装着した(図3).装着したラバーダムの上から,₅近心に圧排糸を入れてラバーと歯肉を押し下げてう蝕を縁上に出し,う蝕除去を行った.₄は旧CRのレジン体部での破損以外は接着自体に問題はなく,二次う蝕もないことから象牙質部を覆うCRはそのまま残し,遠心および咬合面のエナメル質部分の旧CRを削除した(図4). ₄,₅ともグリシンパウダーを用いてエアーアブレージョン(プロフィーメイトネオ,ナカニシ)し,カタナクリーナー(クラレノリタケデンタル)にて洗浄し,窩洞周囲のエナメル質にウルトラエッチJ(ウルトラデント)を用いてセレクティブエッチング(図5),₄はCR断面にクリアフィルポーセレンアクチベーター(クラレノリタケデンタル)にてシランカップリング処理を施した後,両歯ともクリアフィルメガボンド2(クラレノリタケデンタル)にて歯面処理を行った. 次に,₅内面の象牙質層から先に盛り上げた(図6).窩洞象牙質部分に0.5mm程度の厚みで薄くフローレジン(ESフロー Highフロー UOP,クラレノリ2 From THE INTERNATIONAL JOURNAL OF MICRODENTISTRY図3 ラバ-ダム防湿を行った状態の口腔内写真.図5 エナメル質に限局したセレクティブエッチング(鏡像).74別冊the Quintessence 「マイクロデンティストリー YEARBOOK 2024」

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