日本口腔インプラント学会,日本歯周病学会専門医・指導医,日本レーザー歯学会専門医,八重洲南口歯科 歯周病・インプラント治療担当医,東京医科歯科大学歯周病学分野非常勤講師図1a,b インプラントAadva埋入後8年6ヵ月.大臼歯相当部のインプラント周囲の硬・軟組織は8年以上良好な状態を維持している(矢頭赤).近心インプラントは5年前の追加埋入時にサイトランス グラニュールを使用しているが,骨吸収は認められない(矢頭青).(技工担当:ケン・デンタリックス株式会社)ab119株式会社ジーシー 国内での発売から8年を迎えたインプラントAadvaは,初期のスタンダードに加えて2018年にテーパードのラインアップが追加され,さらに応用の幅が広がった.スタンダード,テーパードともに基本的なインプラントのデザインは,皮質骨の圧迫を回避するマイクロスレッドと,海綿骨で初期固定を取る段階的なスレッドの設計がなされている.さらに,嵌合部はマイクロムーブメントを低減させるコニカルコネクションとインプラント周囲粘膜を安定させるプラットフォームスイッチングも採用しており,これにより長期的にインプラント周囲骨の吸収およびインプラント周囲粘膜の退縮を抑制している(図1)1. 一般的に,このような特徴をもつインプラントは少数歯欠損などにインプラントを可及的に平行に埋入する方法で用いられるが2,インプラントAadvaは角度付きSRアバットメント(中間構造体)などの補綴用コンポーネントも充実しており,上顎洞底挙上術などの高侵襲な骨再生治療を避けられる傾斜埋入にも対応している(図2).また,角度付きSRアバットメントはすべてのインプラント径で使用可能なラインアップとなっている.さらに,上部構造のフレームはCAD/CAMシステムに対応しており,適合精度の高いチタン,ジルコニアフレームを用い谷口 陽一 Yoichi Taniguchi北海道札幌市開業:谷口歯科医院Clinical Reportあらゆるシーンで応用可能なインプラントAadva®とサイトランス®グラニュールはじめに
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