日本口腔インプラント学会指導医・専門医愛知学院大学歯学部教授12 口腔内スキャナ(intra oral scanner:IOS)による光学印象採得とCAD/CAMを中心とした“デジタル・テクノロジー”が歯科医療の現場に紹介されてからすでに10年以上の年月が経ち,現在は補綴治療だけでなく,インプラント治療や矯正治療などにも活用されている.そして,その新たな治療技術のトレンドは,“デジタル・デンティストリー”という用語を創出し,歯科診療の在りかたさえ変えるほどの大きな潮流となっている.とりわけインプラント治療においては,補綴処置にとどまらず,埋入手術のための術前検査・シミュレーション診断ならびにサージカルガイドを使用した埋入手術(ガイデッドサージェリー)に至るまで,あらゆる治療ステップで重要な役割を果たしている(図1).また,近年のデジタル技術の開発と発展により,各種の治療における“新たな治療工程(デジタル・ワークフロー)”が確近藤 尚知 Hisatomo Kondo愛知学院大学歯学部冠橋義歯・口腔インプラント学講座はじめに巻頭特集─臨床応用の現状・課題・近未来展望─インプラント治療における DXデジタル・トランスフォーメーション
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