インプラントYEARBOOK2024
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11 本書は,5年前から公益社団法人 日本口腔インプラント学会が監修する形で発行されるようになりました.毎年多くのインプラント関連企業からの製品情報および臨床報告に加えて,学会から読者の皆様への情報提供の一環として,巻頭に総説論文を寄稿しております.今回は,愛知学院大学歯学部の近藤尚知教授に「インプラント治療におけるDX(デジタル・トランスフォーメーション)―臨床応用の現状・課題・近未来展望―」というタイトルで,急速にデジタル化が進むインプラント治療の革新的変化について,わかりやすく解説していただきました. わが国において,現時点ではフルデジタルでインプラント治療を行っておられる臨床医はまだ少ないかもしれませんが,本書が発行される2024年の保険改定において,CAD/CAMインレーに限定されてはいるものの口腔内スキャナを用いた光学印象が保険適用となり,インプラント治療だけでなく,一般の保険診療においてもさまざまな形でデジタル化が急速に普及する可能性が高まるものと思います.このデジタル化の動きに備えて,日々の臨床の参考にしていただければ幸いです.公益社団法人 日本口腔インプラント学会理事長 さて,日本口腔インプラント学会は公益社団法人格をもつ学術団体として各種事業を行っています.主要な事業としては,学術講演会の開催,機関誌の発行,そして会員の専門性認定制度の運用が挙げられます.このうち専門医認定については,日本歯科専門医機構が設立された今,大きく制度が変わろうとしています.本学会の方向性としては,構築してきた学会認定の専門医制度を可能な限り維持しつつ,できるだけ多くの会員が日本歯科専門医機構の認定する広告可能なインプラント歯科の専門医資格を取得できるような制度を設計し,公益社団法人 日本顎顔面インプラント学会とともに国民の健康増進に貢献すべく尽力したいと考えているところです. 日本口腔インプラント学会は,日本歯科専門医機構により認証される広告可能な新しい専門医制度を早急に導入することによって,国民から信頼される口腔インプラント治療の普及を図り,口腔機能の維持・向上を通じて国民の健康寿命の延伸に寄与することを目指しています.本書を手に取った読者諸賢におかれましては,どうか本学会を積極的にご活用ください.細川隆司(Ryuji Hosokawa)巻頭言

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