新版ザ・プロビジョナルレストレーションII
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c図6-37a~c インプラントの埋入深度が浅く,天然歯の歯頚部口径を再現しようと大臼歯形態のオーバーカントゥアの上部構造を装着しているため,清掃不可能なトラップスペースが生じ,ペリインプランタイティスによる骨吸収が生じている.図6-36a~d インプラントの垂直的ポジションとアバットメント,上部構造の関係.インプラントにおけるプロビジョナルレストレーションLBLBLBLBabcdba231 図6-36aは一般的に採用されるアバットメント形態である.自然な歯牙歯頚部口径を再現することが可能となるが,歯肉縁下に清掃不可能なトラップスペースを作るため,インプラント周囲炎を生じる原因となる. 図6-36bはレギュラーダイアメタインプラントの場合である.サブクリティカルカントゥアをストレートに立ち上げているものの,インプラントダイヤメタと上部構造の径のギャップが大きく,清掃環境はあまり良好ではない. 図6-36cはレギュラーダイアメタインプラントをサブクレスタルに,頬舌的には舌側寄りに埋入し,ブラシによるクリーニングと舌および頬粘膜によるセルフクリーニングの環境を可能な限り構築することに努めた状態である(47ページ参照).アバットメント径が小さいため,上部構造とのギャップを少なくすると咬合面径が小さくなる. 図6-36dは理想的なインプラントの頬舌的および垂直的ポジションとアバットメント・上部構造の関係である.ワイドダイヤメタインプラントを舌側寄りに埋入することにより,アバットメントの立ち上がり径と上部構造のギャップが小さくなり,舌側は舌の自浄作用で,頬側は歯ブラシが容易に到達することのできるスペースとなることから,よりクレンザビリティの高いインプラント周囲環境を構築することが可能となる.

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