新版ザ・プロビジョナルレストレーションII
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ABCD図2-35 ポンティックの種類とポンティック基底面形態.A:リッジラップポンティック B: モディファイドリッジラップポンティック C:オベイトポンティックD:セミオベイトポンティック歯周治療の側面においての役割53ポンティック基底面形態と接触する歯肉形態 オベイトポンティックの基底面のメインテナンスについて,フロスやスーパーフロスで清掃すべき,とする教えもある.しかし,フロスやスーパーフロスが入るスペースが存在するということは,プラークの侵入を許すトラップスペースが存在することになるため,炎症を起こす原因となる.筆者は,ポンティック基底面とオベイト窩粘膜は隙間なく密着し,メインテナンスフリーであることが望ましいと考える. ポンティック基底面形態は,審美性や発音等の要件に基づいて接触する歯肉形態を注意深く設計する必要がある.リッジラップポンティックの接触面は凸型となるため顎堤の凸面と点接触になる.したがって,鋭角なトラップエンブレジャーが放射状に形成される(図2-35のA). 顎堤の幅が十分になく審美性を考慮しなければならない場合,モディファイドリッジラップポンティックを選択するが,ポンティック基底面に清掃不可能な領域が生じるため,衛生的に良い環境とは言えない(図2-35のB). ポンティックに凸型カントゥアをもたせる場合(オベイトポンティック)は,歯槽提に外科手術を要する(図2-35のC). 顎堤が健康な場合,顎堤の湾曲に適合するようにわずかに凸型のポンティックを与えること(セミオベイトポンティック)を推奨する(図2-35のD). 顎堤の凸状湾曲が著しい場合は,外科的に歯槽提を減少させる必要がある. 今日,ポンティックにおいても審美性が要求されるようになり,ポンティックの基底面形態は従来のリッジラップポンティックからオベイトポンティック,セミオベイトポンティックが主流となっている. いずれの術式においても,ポンティック下残存粘膜の厚み(Width-最低2mm)が必要となる. オベイトポンティック基底面のメインテナンス

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