新版ザ・プロビジョナルレストレーションII
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図2-34 生理的ポンティック外形.A:平均的顎堤吸収 Sanitary-Contoured PonticB:広く鈍な歯槽提 Saddle PonticC:過度な顎堤の吸収 Sanitary PonticD:前歯小臼歯部顎堤 Ovate Pontic表2-9 生理的ポンティック外形に影響を及ぼす要因.①無歯顎顎提の吸収度②対合歯咬合面③舌の筋肉④頬および口唇の筋肉サポートにおいて,形態・機能・外観が元の歯に匹敵するようなポンティックデザインにすること表2-10 ポンティックに望まれること.① 隣在歯に適切な支持を与えること② 食物の流れに適合すること③ 適切な衛生的外形をもつこと④ 必要な場合は,審美的要素を有すること52表2-11 ポンティックの生理的カントゥア成功の決定要素.① 歯肉のカントゥアが良好で緊密性があること② 鈍角なエンブレジャーに対して接触面が最小であること③ ポンティックおよび歯槽提に極端な凸あるいは凹型の湾曲がないこと(できる限りスムーズな接触面)④ 接触領域において,できる限り滑らかな面を長期間にわたって維持できるハイグレーズドポーセレンやセラミックマテリアルをティッシュコンタクトマテリアルとして選択すること⑤ 臼歯部ポンティックにおいては審美的要求よりも生理的カントゥア・衛生的デザインを優先して検討すること第2章︱プロビジョナルレストレーションの役割と臨床応用生理的ポンティック外形ABCD 完全な修復治療は,そのデザインの知識,想像力および術者の技術が表現され,補綴装置に反映される.これはとくにポンティックデザインについて言えることである.生理的ポンティック外形に影響を及ぼす要因は表2-9が挙げられる. Sanitary-Contoured Ponticは,歯垢の付着および歯垢が歯肉へ与える影響を入念にコントロールする必要がある(図2-34のA).Saddle Ponticは,衛生的要求に反する(図2-34のB).Sanitary Pontic は,歯肉の湾曲の急激な変化に起因するため,不適当な組織(舌・頬粘膜) の支持不足や不快感を生ずる(図2-34のC). Ovate Pontic(オベイトポンティック)においては,欠損部に加わらなかった咬合負荷が加わることにより,歯槽粘膜,さらにその下部の歯槽骨まで,組織の恒常性を得ることが可能となる(図2-34のD).

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