口腔機能障害のリハビリテーション臨床マニュアル
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abc[大山繁幸]初診時(2010年8月)の口腔内写真.矯正歯科治療後であるにもかかわらず下顎臼歯部の舌側傾斜が認められ,特に右側大臼歯の傾斜が顕著である.咬合平面も左上がりとなっている.初診時の主訴はクリーニングであり,患者の希望で顔貌の撮影はしなかった.顔貌所見は特に顎機能障害を治療するうえでは重要だが,患者の理解を得ることが難しい.初診時(a:2010年8月),治療開始後1年11か月(b:2012年7月),治療開始後3年4か月(c:2013年12月)の下顎右側大臼歯部.クリーニングを目的に通院していた患者に,継続的な生活習慣の指導(特に頬杖)を行っていたが,この3年間で舌側傾斜が進行している.毎回注意は行っているが,その重要性を理解してもらえなかった.初診から3年4か月後(2013年12月)の口腔内写真.クリーニング通院期間中に左側顎関節に違和感を訴え来院した.下顎両側臼歯部が舌側傾斜し,特に右側臼歯部は舌側傾斜と歯列の歪みが著明で,下顎がよりいっそう左後方に偏位している.・患 者:22歳女性・初診日:2010年8月・主 訴:歯のクリーニングをしてほしい・現 症:下顎の左方偏位と両側臼歯部の舌側傾斜(特に右側は著明).不良な生活習慣として両側の横向・歯科的既往:2004年(16歳)〜2007年(19歳)にかけ他院にて₄₄抜歯の矯正歯科治療を行っているき寝,頬杖,クレンチングがあったため改善指導を行った33Case1-2E初診治療経過態癖指導が奏効せず頬杖が続き顎関節の問題を生じた症例

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