[飯田光穂]初診時(2007年7月)の口腔内写真.患者には園児の添い寝時に横を向き手を頬に当てて寝る睡眠態癖があり,V字型の歯列はそのためと思われる.態癖の弊害と舌尖のスポットを示して舌位を理解してもらい,上下歯列接触癖(TCH)を意識してもらうよう説明した.初診から2年(2009年9月).上顎歯列の狭小化が進み前歯部に開咬を呈してきた(患者は長顔型,低位舌で切歯の被蓋が浅く咬頭嵌合位が安定しにくいタイプ).態癖指導後だが本人は気にしていなかったため,開咬部位への舌の挿入を含め態癖について再指導した.初診から4年(2011年11月).舌癖による開咬が進行している.患者は態癖の説明を真剣にとらえていない.₅のインレーが再脱離した.初診から8年(2015年10月).患者がようやく態癖について注意するようになり,多少改善傾向である.開咬もやや改善している.・患 者:24歳女性,保育士・初診日:2007年7月・現 症:₅のインレー脱離を主訴に来院したが,軽度の歯列不正を認めたため生活習慣について問診したところ,園児の添い寝をする際,頬に手を当てて寝る横向き寝の睡眠態癖が多いことが判明した26Case1-2A初診添い寝の保育士──態癖の怖さを理解してもらうことの難しさ
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