「限られたアポイント時間内に終わらなければ」という焦りからか、姿勢を崩しながら無理やり口腔内を覗き込んでいる新人歯科衛生士の姿を目にすることがあります。彼女たちの多くから「肩が凝る」「腕や手首が痛い」などの悩みを聞くこともありますが、それらの原因のひとつは姿勢だと考えています。基本姿勢は学校で習いますが、いざ臨床に出ると忘れがちになります。姿勢が崩れると、見落としもき、左右の足幅を30cm程度開けることで、姿勢が安定します。ユニットの高さは、術者が姿勢を正した状態で、術者の視点から25~30cmの距離に患者さんの口腔が位置するように調整します。ユニットが低いと、患者さんの口腔内を口腔内を覗き込むために背中が丸まった状態になってしまう。多くなります。 直視では診ることのできる範囲が限られるため、ミラー視のテクニックが求められますが、「ミラー操作は苦手」という挫折する声も聞こえてきます。ミラーを使いこなせると診療の幅は拡がりますが、直視でもいいので、時間内に「視られる・診られる」喜びを手に入れましょう。見えないからといって姿勢を崩してあいまいに口腔内に触れる覗き込むように背中が丸まり、逆に高いと、体をひねって覗き込むようになってしまいます。正しい姿勢で、術者は7時から3時まで、部位にあわせてポジションを調整していきます。 また、アシスタントにつく場合は、術左右に体がゆがんだ状態となってしまう。18POINTかかとが床につかず、ぶらぶらさせていると、重心が後ろにひっぱられ正しい姿勢を保ちにくくなる。Check1スツールとユニットのセッティング 一般的に、術者の視点から患者さんの口腔までの距離は25~35cmが適切と言われています6。術者の身長にあわせてスツールやユニットの高さを調整する必要があります。 スツールの高さは両足が完全に床につスツールが高いと……ポジショニングユニットが低いと……ユニットが高いと……“見落としを防ぐ姿勢”をつくる5要素を把握しよう02
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