c図2-5-3c 舌突出時.舌尖の形状がハート型となっている.b図2-5-3b 舌挙上時.小帯が緊張し,貧血帯を形成している.a図2-5-3a 患者は15歳女子.構音障害はないが舌の可動制限(挙上,突出しづらい)を自覚しており,切除を希望し,当科を受診した.e図2-5-3e 局所麻酔:歯科用キシロカイン®Ct(8万分の1 エピネフリン)で切開線の粘膜下に行う.局所麻酔後はエピネフリンの奏効による止血効果を期待し,5分程度経過した後に切開を開始する.注)針先を不必要に深く刺入すると舌や口底粘膜下の血管を損傷し,出血を生じることがあるので注意する.d図2-5-3d 切開線の設定:舌を挙上させ,舌小帯の中央付近(もっとも緊張している部分)に水平に切開線を設定し,ピオクタニン液でマーキングする.注)マーキング後に切開線を側方から目視し,舌や舌下小丘を避けていることを確認する.術前に顎下腺を圧迫して唾液を排出させ,顎下腺管の開口部の位置を確認しておく.g図2-5-3g 舌小帯切除②:前方から後方に向かって切開を進める.注)切除している途中に攝子の把持している位置を変えると切開線が歪むため,切開開始から終了まで上方に牽引する力と方向は一定に保ち,攝子で把持している部分は持ち直しをしないようにする.f図2-5-3f 舌小帯切除①:攝子で舌を上方に牽引し,舌小帯をしっかり緊張させて,前方から切開を行う.72小帯切除の実際 ~舌小帯切除~3
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