ここ重要!ここ重要!4-8-1.ラバーダム防湿4-8-2.接着ブリッジ被着面の清掃 装着準備を整えたら,いよいよ実際の装着操作を行う. ラバーダム防湿下での歯科治療は,近年では歯内療法や接着修復治療のみならず,補綴治療においてもさまざまな場面で行われている.なかでも,その接着操作時は口腔内湿度の上昇を阻止し,さらに唾液,滲出液,血液による支台歯の汚染など,種々の接着阻害因子を排除することができる. しかしながら,接着ブリッジの場合,先述したようにポンティック基底面をオベイト型とした場合の装着操作時には軟組織を加圧した状態で装着する必要があり,同部にラバーダムが存在すると,これが干渉して正確な位置に戻せなくなってしまう.そしてこれを回避するには,同部のみラバーダムに穴を開けざるをえない.そのため,ラバーダムによる防湿効果を最大限に発揮させることは期待できない(図4-38). また,補綴装置装着時や試適時には,手指による接着ブリッジの把持を口腔内で行う必要があるが,その際に設置したラバーダムが手指に触れることで,装着操作の行いにくさを感じることも少なくない. 以上のことから,あくまでも筆者の個人的な意見になるが,接着ブリッジの接着操作時においては,その防湿以外の利点からも可能な限りラバーダムを装着することが望ましいものの,フィニッシュラインの位置や接着部位(上顎か下顎か),開口量,歯列の大きさなどを考慮してラバーダム防湿の必要性を判断すべきであり,かならず用いるべきとは考えていない. 試適前にラボサイドで清掃が行われていても,試適後の接着ブリッジの被着面は,唾液,滲出液あるいは血液によって汚染されている(図4-39a).そのため,試適後には再度,使用するセラミック材料に応じた清掃をかならず行い,そのうえで最終装着に臨まなければならない. 接着ブリッジのフレームワーク材料として筆者が現在しているジルコニアセラミックスの被着面の清掃は,アルミナサンドブラストによる機械的清掃となる(図4-39b,c). さらに,その機械的清掃後に,界面活性作用を有するクリーナー(カタナクリーナー,クラレノリタケデンタル)を使用し,さらに清掃を行うこともある(図4-40).本製品は界面活性作用による清掃効果が期待でき,歯質(支台歯の被着面)にも使用可能である.1リテーナーオールセラミック接着ブリッジ臨床ガイド130試適後の接着ブリッジの被着面は,唾液,滲出液あるいは血液によって汚染されている.試適後の接着ブリッジの被着面はかならず清掃を行い,そのうえで最終装着に臨まなければならない.4-8.装着
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