加速矯正
2/8

①表面麻酔および浸潤麻酔を行う。②唇側のみ歯肉溝内切開を入れる(図2)。③ 頬側のみの粘膜骨膜弁を骨から剥離して、エンベ福本卓真40 ■CHAPTER3 症例④皮質骨の切除を十分な注水下で海綿骨に達するま概要特徴施術の流れ注意点 寿谷法コルチコトミーは1983年に発表され、1989年ドイツのミュンヘンで行われた第7回国際矯正学会(International Conference for Orthodontists) 頬側に歯肉溝内切開とエンベロープフラップを行い、海綿骨に達する垂直骨削除および、その垂直骨削除を根尖から3~5㎜離れた位置でつなげる水平骨削除を行う。垂直と水平のカットラインおよびロープフラップを行う(図3)。で行う(図4)。・歯槽頂より2~3㎜の歯槽骨は骨形成しない。・ 骨の溝形成は、可及的に海綿骨に達するが、歯根の損傷に注意する。・ 水平溝形成の位置は寿谷1は3㎜としているが、深澤2は可能であれば5㎜としている。で,寿谷が“Corticotomy in Orthodontics”という演題でその内容を講演した。現代コルチコトミーの原型となる外科的手法である1。歯槽頂方向にチゼルをマレッティングすることでFracturizationと歯槽頂部の骨へ刺激の伝搬を行う。 抜歯部位の頬舌側歯槽骨は削除する。歯槽骨のディンプル形成や骨補填材料は使用しない。⑤ 皮質骨の切除は垂直溝形成と水平溝形成が歯根より3~5㎜以上過ぎたところで連結される。⑥Fracturizationをする(図5)。⑦ 唇側のみのコルチコトミー処置のため、連続懸垂縫合法にて縫合する。⑧歯周包帯材を粘膜と歯肉に密着させる。・ 術後に歯肉骨膜弁を元に戻した時に露出された骨面と歯肉骨膜弁との間に空気が残ると、術後の痛みや治癒遅延、歯肉縁の退縮などの原因となるので、歯肉の垂直切開は行わず、しっかりと空気抜きを行う。1.寿谷法コルチコトミー術式紹介

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る