顎顔面成長の基本原理
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403非対称性や極性は、より広範囲に生じることが述べられており、ヒトでは、蝶-後頭軟骨結合の後方部(Enlow, 1968年)、アカゲザルでは、前-基蝶形骨(蝶形骨間)軟骨結合の前方部(Michejda, 1971年, 1972年a)、ウサギでは、蝶-篩骨結合の後方部(Hoyte, 1976年)で生じる。 組織培養研究(PetrovicとCharlier, 1967年;Servoss, 1973年;Kurodaら, 1981年;Coprayら, 1986年)と移植実験(KoskiとRönning, 1970年;HarknessとTrotter, 1980年)からの知見より、頭蓋底の軟骨結合は、独立した成長能を持ち、組織を離開させる性質に関しては、骨端板と肋軟骨結合と同等であることが示唆されている(RönningとKylämarkula, 1982年;Peltomäki, 1993年)。軟骨結合の独立した成長能は、それらの成長は、脳よりも長い期間続くという観察結果からも明らかであり(Kantomaaら, 1991年)、言い換えれば、頭蓋底と脳の軟骨と頭蓋顔面の成長図14.6 (A)6歳男児の蝶-後頭軟骨結合(矢印);軟骨結合は、ヒトにおいて、16から19歳の間に完全に閉鎖する。(B)5歳ラットの蝶-後頭軟骨結合(矢印);加齢に伴い閉鎖しない。(C)5歳ラットの頭蓋底では、鼻中隔軟骨の後端と前蝶形骨-基蝶形骨軟骨結合と基蝶形骨-基後頭骨(蝶-後頭)軟骨結合が見られる。拡大率、8倍。

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