インプラントの専門医を取得するための研修マニュアル
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abc①現在のインプラント治療は、1965年にヒトへの応用が開始された歯の欠損に対する治療方法です。顎骨にチタン製の人工歯根(インプラント)を埋入して、その上にクラウンや入れ歯を作ります。②他の治療方法にはブリッジ、入れ歯があり、それぞれ利点と欠点があります。③インプラント治療には、他の治療方法と比較して下記の利点と欠点があります。④手術前に全身的、局所的な検査が必要です(エックス線検査、血液検査など)。検査結果によっては、手術ができないことがあります。⑤骨や粘膜が不足している場合は、骨の造成や粘膜の移植など追加手術が必要となります。⑥手術後は、疼痛・腫脹・出血などが生じることがあります。⑦喫煙はインプラント治療の成功率を下げる可能性があります。⑧インプラント治療の成功率は100%ではありません。不具合を生じた場合には、再治療や他の治療法を行う必要があります。⑨インプラントの周囲に炎症(インプラント周囲炎)を起こさないように、自分の歯(天然歯)と同様にしっかりブラッシングすることが重要です。⑩インプラントを良好に保つためには、継続的なメインテナンスが必要です。  天然歯の周囲には歯根膜という組織があり噛む力を緩衝しますが、インプラントは骨と直接接触しているため、クラウンや入れ歯が欠けたり、固定ネジが緩むことがあります。また、天然歯の周囲には歯根膜や付着上皮などが存在しますが、インプラント周囲組織には存在しないため感染に弱いことが報告されています。そのため、定期的なチェックとメインテナンスが必要となります(図)。・よく噛める・隣在歯を削らない・残存歯に負担をかけない・異物感が少ない利点図 天然歯の周囲には歯根膜といった緩衝域(黒矢印)が存在するが、インプラントは・手術が必要である・埋入手術後、インプラントと骨が結合するまで約2~6か月待つ必要があり、治療期間が比較的長い・一部の症例を除き健康保険が適用されない直接骨に接触している(白矢印)。a:クラウン、b:アバットメント、c:インプラント体欠点インプラント治療説明書〈インプラント治療説明書例〉150付録

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