インプラントの専門医を取得するための研修マニュアル
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bcgdhaaeibfj 上顎臼歯部において歯槽頂から上顎洞までの十分な距離が得られない場合、上顎洞底部の粘膜を剥離挙上して形成した空間に骨を造成する。洞粘膜挙上のアプローチ方法により下記術式に分類される。①側方アプローチ(サイナスリフト)(図8) 上顎洞側壁に骨窓を形成し、ここから上顎洞粘膜を明視的に剥離挙上する。洞粘膜挙上した空間に、自家骨や骨補填材などを充填して骨造成を行う。上顎洞側壁に後上歯槽動脈の走行を認める場合には、骨窓形成時に血管損傷しないように注意する。側方図8 側方アプローチ(サイナスリフト)。 a, b:上顎洞側壁を開窓。c, d:開窓部より洞底粘膜を挙上。e, f:骨補填材を洞底粘膜下に充填。g, h:開窓部を吸収性のバリアメンブレンなどで閉鎖。i, j: 術後CT画像(i:冠状断、j:矢状断)。上顎洞底粘膜の挙上(矢印)と充填した骨補填材を認める。図7 抜歯窩保存療法。a:唇側骨吸収を認める抜歯窩。 b: 抜歯後の経時的骨吸収を予防するために骨補填材を用いた抜歯窩保存療法。アプローチは明視的に洞粘膜を挙上する術式のため、上顎洞粘膜の挙上量が多い場合にも有効である。 術式としては同時埋入法と待時埋入法がある。上顎洞底部の既存骨でインプラント体の初期固定が得られる場合には、上顎洞底挙上術と同時に埋入を行う(同時埋入法)。骨高径が不十分な場合や骨強度が低い場合には骨造成のみを行い、骨が成熟した後(約6か月後)にインプラント埋入を行う(待時埋入法)。②歯槽頂アプローチ(ソケットリフト、オステ オステオトームや超音波骨切削機器などの機器をⅪ. インプラント歯科関連手術(骨組織マネージメント・軟組織マネージメント)オトームテクニック)(図9)1054. 上顎洞底挙上術

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