即時治療の真髄
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a図4a〜d インプラントの埋入位置は、咬合関係‐最終的な補綴装置の位置と形態‐埋入部の骨形態によって決定すべきである。4症例においてそれぞれセメント固定とスクリュー固定の埋入方向を記載した。(a)咬合関係、歯の位置、そして骨幅ともに良好でどちらの埋入でも大きな違いはない。(b)唇側に骨欠損を認めるが、どちらの埋入でも大きな違いはない。(c)上顎前突で骨幅は狭く、残存歯根尖唇側骨形態は凹型を認める。スクリュー固定の埋入方向はかなり限定され、骨造成が必要である。(d)咬合関係は正常であるが、本来の骨幅がかなり狭いことに加えて唇側骨形態には凹型を認める。さらに、唇側骨欠損はかなり大きく骨造成を必要とする症例であり、スクリュー固定の埋入方向の決定はかなり限定される。cとdでスクリュー固定を選択するには比較的大きな骨造成を必要とするため、難度が高くなる。図3:スクリュー固定の製作過程マテリアル選択の重要性図4:インプラントの埋入位置の決定基準abcdebcdセメントスクリュー唇側骨欠損凹型の骨形態157第4章 前歯部上部構造製作図3a〜e メタルセラミックス応用世代のスクリュー固定は、焼き付け用メタルとゴールドシリンダーは鋳接されたためセメントフリーの構造であった。しかし、現在多くのモノリシック製上部構造では強度と維持力増加のためにチタン製シリンダーとのレジンセメントによる接着を必要とするため、完全なセメントフリーとはならず、セメントとスクリュー固定(C/S固定)を利用した上部構造となるが、本書では単にスクリュー固定と表記する。CAD/CAM で製作されたジルコニアフレーム(a)、レイヤリング後のジルコニアクラウン(b)、グレージング終了後の試適前の補綴装置(c)、加工された接着前のチタンシリンダー(d)、接着後の完成した上部構造(e)。

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