保険のペリオを極める
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b図2-5-1a~d aの写真を見て、この患者はプラークコントロールが悪いように見えるであろうか。クローズアップ(b)してもはっきりとプラークがあることはわからない。しかし、染め出しをするとはっきりとプラークが残存していることがわかる(c,d).これだけ違うにもかかわらず染め出しをためらう理由があるだろうか。 磨き残しを目で“確認”してもらい、“納得”してもらう。そのあとだからこそ、初めて医療者の話を聞いてもらえる。患者のブラッシングに対するモチベーションやコンプライアンスは“納得”からしか始まらないことを肝に銘じるべきである。1acd1口腔衛生指導(OHI:oral hygiene instruction) よくTBI(teeth blushing instruction)という言葉を耳にするが、TBIは国際的にはまったく通用しない言葉であり、本書では口腔衛生指導をOHI(oral hygiene instruction)で統一する。OHIの基本的な知識と対応を以下に示す。 読者の皆さんはOHIの際に染め出し液を使用しているであろうか? プラークはこすれば見えるので、それでプラークコントロールレコード(PCR:O’learyのプラークコントロールレコードが本邦でよく使われている)を記載(プラークスコア、20頁図2-3-1参照)している方も多いかもしれない。しかし、染めることでプラークはまったく違う見え方をする(図2-5-1)。とくに磨けている場所と苦手な場所がはっきりと患者、術者ともにわかるので、その情報をシェアすることが大切である。染まっている部分を磨いてもらってシンプルに除去してもらい、どうして磨けていなかったのかを見て理解してもらう。苦手な場所や、捻転、歯の位置異常がある場合などは意外と見えていても難しいものである。Chapter37染め出しの実施2-5歯周基本治療

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