肉芽の科学と臨床
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Case 4抜歯後約8か月経過しても抜歯窩に骨が形成されず,肉芽組織を認めたケース71Case 4a ₇の抜歯日のパノラマエックス線写真.₇の根尖部に根尖性歯周炎と思われる骨吸収像を認める.c1Case 4c1, 2 抜歯後約6か月のCT像.抜歯窩底部はhigh density部が混在し,骨新生は不規則である.創口部はlow densityの部分があり,骨組織はみられない.Case 4b 抜歯後約6か月のパノラマエックス線写真.抜歯窩の底部では骨新生がみられるが,創口部では骨新生を認めず,陥凹したエックス線透過像がみられる.c2CHAPTER 4 抜歯窩と肉芽Case 4d 抜歯後約8か月のインプラント術中写真.抜歯窩に骨は形成されておらず,肉芽組織を認めた.エックス線写真,CT像の所見と一致している. 62歳,男性で,₇を抜歯し,インプラント治療を予定.根尖部に骨吸収像を認めた(Case 4a).抜歯の際には画像所見どおり,根尖部に多量の肉芽組織が存在していたので,それらを可及的に掻爬・摘出した. 抜歯後約6か月のパノラマエックス線写真(Case 4b)では,抜歯窩の底部では骨新生がみられたが,創口部では骨新生は認めず,陥凹したエックス線透過像がみられた.CT像では(Case 4c),抜歯窩底部はhigh density部が混在していたが,骨新生は不規則であった.創口部はlow densityの部分があり,骨組織はみられなかった. 抜歯後約8か月のインプラント手術時に粘膜骨膜弁を形成して骨面を観察したが(Case 4d),抜歯窩には骨は形成されておらず肉芽組織を認め,エックス線およびCT像の所見と一致していた.

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