“Why”から“How to”を導く実践 歯内療法
3/6

●形成までのステップ 根管内容物を除去するためにはエナメル質,象牙質など,歯冠部の組織の除去が必要不可欠である.Krasner,Rankowらは歯髄,根管探索に有用な解剖学的特徴を示している(図3-5)9. また,エックス線写真の読影により,歯髄腔の位置,図3-4 根管形成が適切に行われなければ,その後に続く根管洗浄,根管貼薬,根管充塡などのプロセスにも悪影響を及ぼすため,このステップを適切に行うことが重要となる.図3-5c Symmetry:上顎大臼歯を除き,髄室底中心に近遠心方向で引かれた線に対して左右対称に根管口は位置する.図3-5d Color change:髄室底は象牙質よりやや暗い色をしている.形態を確認する.ペリオプローブを用いてCEJを臨床的に把握し,エックス線写真と照らし合わせて咬合面のアクセス位置を設定する.しかし,クラウンが装着されている場合には,咬合面形態はアクセス部位の決定に際して必ずしも参考にするべきではない.図5a図5b図3-5a Centrality:髄室底はCEJの高さで,つねに歯の中心にある.図3-5b Concentricity:歯髄腔壁はCEJのレベルで,つねに外側面歯牙と同心円の関係にある.すなわち,根外側面の解剖は歯髄腔にも反映される.CEJは歯髄腔を探索するのにもっとも良い指標となる.図3-5e Orifice location:根管口はつねに髄室底と髄室壁の接する界面に存在する.“Why?”から“How to”を導く実践 歯内療法68MD髄室開拡根管口探索根管拡大形成Step1アクセスの位置確認Step2歯軸の確認Step3咬頭から髄床底の距離の確認Step1Step4Step5Step6アクセスの位置確認

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る