“Why”から“How to”を導く実践 歯内療法
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●根尖性歯周炎の予防と治癒図1-1 歯内療法の目的は根尖性歯周炎の予防と治癒である.“Why?”から“How to”を導く実践 歯内療法10歯髄炎予防 歯内療法の目的は“根尖性歯周炎の予防と治癒”である(図1-1).根尖性歯周炎は歯内療法の必要性を示唆するものであり,適切な治療により治癒に導くことができる.また,根尖性歯周炎の発症には“細菌”の存在が関係していることが明らかになっている. 歯内療法は“細菌”を除去し,根尖性歯周炎を予防,治癒することを目的とするものであるため,無菌的処置の重要性はいうまでもない.臨床家が治療をするにあたり,歯髄炎,根尖性歯周炎がいかに発症し,治癒するのかを知ることは,孫子が残した名言,「敵を知り己を知れば百戦危うからず」というところであり,治癒論,病因論を学ぶことで目に見えないところで何が起こり,今どのような手段を取るべきかを適切に選択することができるようになる.これにより,細菌との戦いに打ち勝つ戦法を知ることができる. 歯内療法は,歯髄炎に対しては“根尖性歯周炎の予防”,根尖性歯周炎に対しては“治癒”を目的として行われる.歯内療法はこのように考えると非常にシンプルである. 歯内療法を成功に導くためには,病因論,治癒論をベースとし,われわれができる手段をエビデンスに基づき選択,活用することが必要不可欠である.本項では,基本に立ち返りながら歯内療法に対する視点,視野,視座を磨く内容について解説していく.根尖性歯周炎治癒1-1歯髄炎,根尖性歯周炎の病因論,治癒論

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