口腔漢方処方早わかりガイド
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1章 処方別・西洋薬の次の一手に漢方処方18第1選択薬セビメリン塩酸塩水和物(サリグレン®・エポザック®)第2選択薬ピロカルピン塩酸塩(サラジェン®)またはピロカルピン塩酸塩(サラジェン®顆粒0.5%)第3選択薬サリベート(サリベート®エアゾール)上記薬を施し、それでも効果がなかったら、次の一手として患者の証(体質)をみながら、その人に合った漢方薬を処方しましょう!口腔乾燥症コラム口腔乾燥症の改善は唾液の分泌量だけで評価できない下記グラフは複数の口腔乾燥症の患者に90日間漢方薬3種(白虎加人参湯、麦門冬湯、五苓散)と西洋薬の唾液分泌薬(塩酸セビメリン:サリグレン)投与症例と比較検討し、その結果、平均分泌量は西洋薬が高い数字を示したが、自覚症状は漢方薬が西洋薬を上回ったというデータです。この論文では口腔乾燥症治療においては唾液を分泌することのみを目的にしても患者の満足度は得られないこともあり、患者が何を求めているかによって、治療方法に考慮が必要であるとまとめています。(参考文献:森一将,正田久直,田村暢章,嶋田淳.口腔乾燥症に対する漢方薬治療の効果と塩酸セビメリン(サリグレン)投与症例との比較検討.日口腔診断会誌 2008;21(2):205-211より引用改変)(参考文献:岩渕博史.口腔乾燥症.In:朝波惣一郎, 王宝禮, 矢郷香(監修).薬 YEARBOOK '17/'18.東京:クインテッセンス出版,2016;166-167)平均唾液分泌増加量(ml)白虎加人参湯麦門冬湯五苓散塩酸セビメリン4.03.53.02.52.01.51.00.50.0(㎖)平均自覚症状改善度(%)白虎加人参湯麦門冬湯五苓散塩酸セビメリン80706050403020100(%)不調➊

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