保険診療でできるメタルフリー修復治療
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96Part3 CAD/CAM冠を臨床に生かす①歯科技工所から到着した中切歯CAD/CAM冠。各種調整などのステップは、前症例(図16)と同じであるため割愛する。②口腔内に試適を行った後にサンドブラスト処理を行う。③もしサンドブラスターが院内に存在せずサンドブラスト処理を行えない場合は、カタナ®クリーナーなどの清掃剤でCAD/CAM冠内面を清掃し唾液などの接着阻害因子を可及的に除去する。④パナビア®V5などの、セメントペースト自体に接着成分を含まず、システム内に各種前処理剤を有するレジンセメントは、付随する各処理剤の意味を理解し確実に手順を実行することで各被着体に対し強固な接着を確立する。⑤CAD/CAM冠内面へ、クリアフィル®セラミック プライマー プラス(クラレノリタケデンタル,モリタ)のようなシランカップリング材を塗布し改質することで接着を成立させることができる。⑥ミキシングチップを用いて、レジンセメントをCAD/CAM冠内面へ填入することで、セメントペーストへの気泡混入を最小限に抑制できる。またチップが規格化されているため過度のセメントの使用を抑制できる。⑦歯面に対しても、清掃剤による接着阻害因子の除去を行う。⑧パナビア®V5に付随しているパナビア® V5 トゥース プライマーは、MDPなど歯質以外にも接着を成立可能とする成分を含んでいる。そのため、1液での処理完了を実現している。⑨パナビア®V5をCAD/CAM冠内面に塗布し、支台歯に圧接後。溢出したレジンセメントは、確実に除去しなければならない。⑩溢出したレジンセメントは、硬化前に綿球やスポンジなどで可及的に除去しておく。歯面処理を行う自己接着のないレジンセメントは、セルフアドヒーシブレジンセメントに比較しとくに硬化した後に除去しにくいことがある。【次ページに続く】図15a 歯面処理を必要とする接着性レジンセメントを用いて前歯へCAD/CAM冠を装着する手順①。

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