見逃しケースのなぜを解く! 歯科診断スキルアップ実践ガイド
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30 キーワード1 「歯」「痛い」3 「舌」「口」「あご」「痛い」4 「歯」「違和感」2 「歯」「痛い」「腫れる」ケース14Assesment & Planning確定診断名:帯状疱疹治療計画 :医科での抗ウイルス薬、鎮痛薬による投薬治療【確定診断に至るまでの対応】 本ケースにおける実際の対応と転機を述べる。まず担当歯科医師は来院当日、前述の検査を行い、結果的に帯状疱疹を疑って、歯科治療は行わずに、すぐに医科の受診を指示した。その結果、その日は視診にて発疹がなかったことから、医科では帯状疱疹は否定され、三叉神経痛と咬合性外傷が疑われるという返答であった。そこで、当院にてわずかな咬合調整とペインクリニックでの診察を行いその日は診察終了とした。すると、翌日になり「全身に発疹が出た」との連絡があり、再度医科受診のうえ、帯状疱疹が確定した。 このように、手順を踏んで診察をすることで、初期の段階で帯状疱疹に気がつくことが可能であり、不必要な抜髄や抗菌薬の投与などは避けられる。123456急性根尖性歯周炎歯根破折咬合性外傷急性歯周炎三叉神経痛帯状疱疹××△×○○Step④追加検査等による仮説の再検討 → 確定診断●患者の訴えと所見、あるいは所見間に矛盾が生じた場合、安易に一方を無視するのではなく、矛盾を包括するような解釈・診断ができないか検討する。本ケースは、う蝕・歯周病などの一般歯科から口腔外科、医科の領域へと診断基準を拡大・変更したことにより所見間の矛盾が解決し診断へと導かれた一例である。●診断基準の拡大だけでなく、時間の経過によっても新たな情報を得て、診断が確定できることがある。Tips

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