▶付着歯肉を獲得し,良好な経過を得たケース①:24年経過症例(図7〜11)CHAPTERⅢ 骨縁下欠損発症の原因とその対応図7a〜c 歯根露出に対して付着歯肉を獲得. 図8a ₂に歯肉弁側方移動術を行った(1995.10.31).図8a〜g 歯間乳頭部の有茎弁歯肉移植術を行い,根面被覆と同時に厚い付着歯肉の獲得を図った.図8b ₂には歯肉弁側方移動術と根尖側移動術のコンビネーション手術を行った(1995.11.21).図8c ₁に歯肉弁側方移動術を行った(1996.4.9).図7a 初診時(1988.9.26).プラークコントロール不良により,多量の歯石沈着と歯肉の腫脹を認める.図7b 5年後(1993.9.6).歯周治療により,歯肉の炎症は改善されている.図7c 7年後(1995.9.8).メインテナンスを行っていたが,下顎前歯部歯肉の退縮により磨けないと訴えた.下顎前歯部の咬耗が進行し,歯根露出が認められる.唇側の付着歯肉が失われている.図8d ₃には歯肉弁側方移動術と根尖側移動術のコンビネーション手術を行った(1997.10.13).図8e 十分な厚みの付着歯肉を獲得できている.部分層弁で行うことにより,移動した弁と供給側に再生した歯肉靭帯がつながり,クリーピングが生じている.その結果,根面が被覆された状態となる(2001.10.31).図8f 初診より16年後₂には深い歯周ポケットを認めたため,オープンフラップキュレッタージを行った(2005.1.20).図8g 初診より24年後(2012.7.20).一連の処置により,歯肉退縮の急速な進行を防ぐことができている.defg199
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