長期経過症例から紐解く根尖病変と骨縁下欠損
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図22,23 根尖病変が海綿骨内に限局していたため,デンタルエックス線画像では病変の大きさなどの診断が困難であったケースである.CHAPTERⅡ 根尖病変の治し方▶デンタルエックス線画像では同じように見えると考えられる根尖病変図21 根尖病変によって皮質骨が吸収している範囲が同じであれば(a=b),デンタルエックス線画像では同じ大きさの透過像に見えてしまう.歯の植立位置や歯根と根管の方向,歯槽骨幅や皮質骨の厚みなどの因子により決定される.図22a ₇に咬合痛を認める(2008.11.20).デンタルエックス線画像では根尖部に透過像は認められない.上顎洞底線が乱れているのがわかるが,上顎大臼歯部では三次元的にイメージするのは難しい.▶CT画像ではじめて確認できた根尖病変:8年経過症例(図22,23)図22b,c 同日撮影したCT画像(2008.11.20).頬側根に著明な透過像があり,上顎洞底が挙上されている.原因根および上顎洞底との関係性が一目瞭然である.bcc図23a 5か月後(2009.4.3).まだ,不完全ではあるが上顎洞底線は正常化に近づいている.図23b,c 8年後(2016.7.26).頬側根の透過像は消失し,上顎洞底も正常化している. b59ab

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