長期経過症例から紐解く根尖病変と骨縁下欠損
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図20a〜h 海綿骨内に限局した根尖病変はデンタルエックス線では透過像として現れない.CT導入直後のケースであり,その有用性を痛感したケースである.▶デンタルエックス線画像の限界とCBCTの有用性:6年経過症例図20g,h デンタルエックス線画像では治癒の確認が不可能であるため,CT画像で治癒の確認を行った.術前に認めた透過像は消失している(2010.4.6). 図20a 初診時(2005.7.1).₇に違和感を感じるとのことで来院.不良根充がなされているが,根尖部に透過像は認められず,パラファンクションの可能性もあるとして,ナイトガードを製作した後に経過観察とした.図20b 3年後メインテナンス時(2008. 2.8).依然として違和感を感じるとのこと.近心頬側根根尖部にうっすらと透過像を認めたため,この後CT画像の撮影を行った(c,d).ab図20e ₇遠心頬側根根充時(2008.11.14).やはり,根尖部透過像は確認できない.₆は根管が根管口部で閉鎖していたが,CT画像で病変がなかったためあえて踏み込んでいない.図20f 6年後(2011.9.13).₇の違和感は消失し,デンタルエックス線画像では根尖部に変化を認めない.というよりもともと明瞭な透過像があったわけではなかったため,治療結果の判定ができない.ef図20c,d デンタルエックス線画像では,ほぼ確認不可能であった根尖部透過像が3根すべてに認められ,驚かされた(2008.3.13).それぞれの病変は皮質骨を侵すことなく海綿骨内に限局しているのがわかる.口蓋側の骨隆起もデンタルで透過像を不鮮明にする一因となっている.cdgh58

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