長期経過症例から紐解く根尖病変と骨縁下欠損
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CHAPTERⅤ メインテナンスと経過観察の重要性[1]骨縁下欠損,根尖病変,全顎治療の35年ケース (1)治療の流れ 1985年に全顎的な歯周補綴を行い,現在まで35年経過した症例を図4に提示する.長期経過において発生したさまざまなトラブルに対し,筆者が悪戦苦闘した様子をわかっていただけると思う. 患者さんは38歳,女性で,左側臼歯部の咬合痛を主訴として来院された.約10年前に前歯部の補綴治療を他院にて受けたとのことであった.デンタルエックス線所見では,全顎的に歯槽骨の水平的吸収が認められ,とくに66に著しい骨縁下欠損が存在していた.歯周チャートを図5に示すが,ここではもっ長期経過より学ぶメインテナンスの重要性2▶骨縁下欠損,根尖病変,全顎治療の35年経過症例(図4〜24)図4a〜d 初診時(1985.4.3).全顎的に水平性骨吸収が見られ,66には囲繞性の骨吸収像を認める.至る箇所に楔状欠損ないしその修復跡が見られ,パラファンクションが疑われた.abc図5 初診時と歯周基本治療終了時の歯周チャート.d・歯周ポケット初回測定日 ・歯周基本治療終了時38歳 女性初診時:1985.4.3305

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