YEARBOOK 2021 CR修復の臨床最前線
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33別冊the Quintessence 「YEARBOOK 2021」CR修復の適応におけるボーダーライン図2 ハイブリッドセラミックスを用いたインレーの側室がセメント質界面から脱離している.図3 メタルインレーは脱離していないが,大きなう蝕が進行していた.図4a~c a,b:インレーが脱離した後にCR修復を行った(2015年10月).c:4年半経過後のメインテナンス時(2020年3月). CR修復のメインテナンスは,基本的には通常のメインテナンスと同じだと考えているため,4か月に一度行うことを推奨している. 当院でメインテナンスを受ける患者は,治療部位をすべて把握しているので問題ないが,他院で受ける場合は,患者に治療部位の写真を渡し,患者自身で把握していただき,メインテナンスを受ける歯科医院に一言伝えていただくよう説明している.図2図3 前歯,臼歯にかかわらず,基本的な考えとして口腔内においては天然歯がもっとも良い材質であり,それこそが永久的なものであると説明している. 本来は永久的なものが,う蝕や過度な咬耗などにより,永久的なものではなくなっている状態は異常ともいえる.前述したことをふまえて, CR修復はどのような材質だとしても人工物となるので,永続的ではなく,いつかは再治療が必要になる時がくることを説明している.CR修復はセラミックやゴールド製の修復物,補綴装置と比べると耐久性が劣るので,再修復や再治療のタイミングも少し早くなる.そのため,ほとんどの患者に食事および栄養指導(残存歯を守る意味でも必要),患者によってはスプリントを就寝時に装着してもらい,治療した部位をできるかぎり維持できるように指導している.CR修復の予知性についてどう説明している? ?CR修復のメインテナンスについてどう説明している? ? CR修復の治療費は,窩洞の大きさや治療の難易度,審美性の要求度などによりそれぞれ異なるため,治療部位の写真をプリントアウトしたものに記入しながら説明している.補償内容も修復物によって異なるが,CR修復においては,MOD窩洞までの補償は3年としている.咬頭を含んだ場合は,オールセラミックスもしくはゴールドのアンレーおよびオーバーレイとなり補償が5年,クラウンの場合は10年であることを説明している.ただし,残存歯質がう蝕になった場合は患者の自己責任であるため補償対象外となる.材質の選択は,基本的には最適なものを歯科医師サイドで決めさせていただいている.CR修復の治療費と補償内容(ともに自費の場合)についてどう説明している? ?abc

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