YEARBOOK 2021 CR修復の臨床最前線
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30別冊the Quintessence 「YEARBOOK 2021」Part2 私のCR修復の現在の臨床的位置づけと最新ケースプレゼンテーション1CR修復の適応におけるボーダーライン臨床経験からの考察 10年前と比較して,コンポジットレジン(以下,CR)修復の適応におけるボーダーラインの基本的な考え方に変化はないが,その範囲のなかで自身の臨床経験や症例の経過観察から,ボーダーラインの見極めがよりシビアになったと感じている. とくに臼歯部においては,支台歯形成後にボーダーラインの範囲内(CR修復の適応)だったとしても,窩洞の深さが最深部の残存歯質の厚みを超えた場合や,ブラキシズムによって残った機能咬頭が過度に咬耗していたり,クラックが無数に存在するなどの過酷な環境下であれば,長期的予後の観点からその咬頭を覆いアンレーやオーバーレイにすることが多くなった. また,筆者が所属するスタディグループ“Bio-Emulation”のコンセプトに基づき,ボーダーラインを越えた場合では,間接修復における新たな支台歯形成のデザインや接着方法などについて,今までにない新たな概念が確立された.それにより,オールセラミック修復の適応範囲が広がったことが,10年前と比較した際の大きな違いだといえる.【略歴】1995年 日本大学歯学部卒業1995年 日本大学歯学部歯科補綴学第Ⅲ講座入局1998年 都内診療所にて修行2002年 青島デンタルオフィス開業現在に至る【所属学会・勉強会】日本歯科審美学会会員/日本顎咬合学会認定医/American Academy of Cosmetic Dentistry会員/Leading Dentists Association(LDA)会員/Esthetic Explorers副会長/Bio-Emulation会員/oral design会員About the AuthorQ.CR修復をどうやって学んだ? 卒直後に友人と行っていた勉強会で,南昌宏先生(大阪府開業)と松川敏久先生(奈良県開業)によるマイクロスコープ下で短針を使用して積層充填しているケースを拝見し衝撃を受けたのがきっかけ.その後, CR修復や審美歯科に関する海外の第一人者の先生方の論文を大学の図書館で入手し学んだ.また,インターネットで著名な先生方のオンラインレクチャーを受講.国内では松本勝利先生(福島県開業)や高橋登先生(東京都開業)のハンズオンコースを受講し,海外ではDr. Douglas A. Terryのハンズオンコースを受講し学んだ.Q.CR修復に本格的に取り組むようになってからの年数は? 18年.Q.CR修復において拠り所としているあるいは参考にしている論文・書籍は?①Dietschi D, Spreafico R. Adhesive Metal-Free Restorations:Current Concepts for the Esthetic Treatment of Posterior Teeth. Chicago:Quintessence Pub, 1997.②Baratieri LN, Jr. Aruajo EM, Jr. Monteiro S. Composite Restoration in Anterior Teeth:Fundamentals And Possibilities. London:Quintessence Pub, 2005.CR修復,学びの遍歴青島徹児埼玉県開業 青島デンタルオフィス連絡先:〒358‐0011 埼玉県入間市下藤沢484‐2510年前とどう変わった? 私の臨床におけるCR修復の現在

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