驚くほど臨床が楽しくなる! こだわりエンドサブノート
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23Chapter 1  こだわりエンドのための情報収集・診査・診断図6 テンプルサポートの使用例.装置により設定方法は異なるが,正中矢状面とフランクフルト平面(眼耳平面)および前歯部断層域の位置づけが重要となる.前屈や後屈の状態(フランクフルト平面が水平でない)では画像に歪みが生じるが,図のようなテンプルサポートのみでは位置づけをコントロールすることができないため注意が必要である.図7 額のサポートの使用例.チンレストに加えてこのような額のサポートを用いることで,フランクフルト平面を水平の状態で確実に位置づけることができるため,パノラマX線写真においても再現性のある撮影が可能になる.図8 当院の装置に付属するバイトブロック.切り欠き部を上下顎前歯部切端で咬むことで,前歯部が断層域に位置づけられる.必然的に切端咬合となるため,得られるパノラマX線写真は患者の咬合状態を反映しないことに注意しなければいけない.図9 基準平面を適正に合わせた場合のパノラマX線写真.左右のバランスは等しく,歯列は少し下に凸に写る.また前歯部もぼけていない.図10 歯列に乱れがある場合のパノラマX線写真.歯列が著しく乱れている場合,どれだけ位置づけを調整してもどこかが断層域から外れるため,画像に歪みが生じる.図11 撮影原理の違いを実感した例.左上大臼歯部のデンタルX線写真を示す.₆₇にまたがる根尖透過像を認めるが,歯質欠損は認められない.図12 同部位のパノラマX線写真.₇遠心にデンタルX線写真では認められなかった大きな歯質欠損を認める.撮影角度が異なることもあるが,投影像と断層像の違いも理由として挙げられる.図13 左側下顎枝が伸びた状態で撮影されたパノラマX線写真.これは,撮影の最終段階でアームが左肩にぶつかってしまい,頭部が動いてしまったことによるものである.図14 ピアスによる障害陰影.これは撮影前のチェックで避けることのできるエラーである.図15 ₃₄₅のテンポラリークラウンに用いた補強線による障害陰影.テンポラリークラウンを外して再撮することで解消された.図16 補聴器や女性用ウィッグのピンによる障害陰影.とくに後者についてはプライバシーの問題もあること,また歯列や顎骨に影響は少ないことより,当院ではそのままで撮影するようにしている.1516参考文献1.香川豊宏.Oral Radiology Web Text Book.断層撮影法とパノラマエックス線撮影法.(http://www.fdcnet.ac.jp/gazou/textbook/panorama/html/ppt.html(2020年5月16日閲覧)).2.岡野友宏,小林馨,有地榮一郎(編).歯科放射線学 第5版. 東京:医歯薬出版,2013.

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