Chapter 3 歯肉審美の獲得Gingival Framework Design20 Gingival Frameworkは連続的な歯肉ラインによって組み立てられ、歯肉縁と歯間乳頭によって構成されている。それは歯牙の位置関係や歯周組織の健康状態などによっても形状が異なり、審美的な再現には理想美の観点から左右対称性がもっとも重視される。また、いかに審美的な基準に則りEsthetic Frame work（審美的なGingival FrameworkとIncisal Frameworkによって構成される理想のアウトライン）を完成させるかが重要な作業となるが、歯肉の審美性に影響を与える因子についてしっかりと把握しておかなければならない。歯肉の審美性に影響を与えるさまざまな因子①歯周組織の健康状態②Dentogingival Complex（歯‐歯肉‐歯槽骨の構成）③歯根間距離④Gingival Frameworkの連続性⑤Incisal Frameworkとのバランス⑥歯間乳頭の高さ⑦歯牙形態⑧歯牙の排列状態⑨口唇とのバランス⑩コリドーの出現量etc.Free Gingival MarginInterdental Papilla: Gingival Framework前歯部の歯‐歯肉‐歯槽骨の垂直的解剖学的指標（Saadoun A21）A：歯間乳頭（Interdental Papilla）B：隣接面歯槽骨頂（Interdental Bone Crest）C：辺縁歯肉（Free Gingival Margin）D：セメント‐エナメル境（CEJ）E：辺縁歯槽骨頂（Cervical Bone Crest）FGMABCDECEJBC図3-1-10 歯肉の審美性に影響を与えるさまざまな因子。図3-1-11 健康な歯周環境であれば、歯牙を取り巻く歯周組織である辺縁歯肉（FGM）・セメント‐エナメル境（CEJ）・辺縁歯槽骨縁（BC）の形態は、相似形を示すことが多い22。また、歯冠形態（Tapered・Ovoid・Square）と歯肉形態も同様に相似形を示すことが多いが、垂直的に一定の距離が保たれることで歯周組織の健康も保たれる。118
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