歯科医師・歯科技工士のための最新ラミネートベニア ─現在の到達点─
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1373-2:プレステクニック編インゴットの選択図23a~c 目標歯の特徴とインゴット選択。目標歯の特徴・下顎前歯切縁側の寒色が比較的強い・白帯・白濁の確認インゴットの選択 目標シェードがA2のためクラウンには1シェード明るいLT A1インゴットを選択した。ラミネートベニアには変色した支台歯色の影響を考慮し、3シェード明るいLT BL3インゴットを選択し、不透明陶材とステイン材でクラウンとの明度を合わせることとしたabcワックスアップ図20 図18、19で分かるように、本ケースはそれぞれの支台歯色が異なる。クラウンが計画された113はレジン支台歯のために明度低下を引き起こしやすく、ラミネートベニアが計画された22も変色した支台歯色をマスキングするためには不透明陶材でオパシティーコントロールを行う必要があるため(図21参照)、ともにレイヤリング法を選択している。 3以外は、切縁側の透明感を陶材で再現するためにアナトミカルカットバックを選択し、3は側方運動時のサポートのためにフェイシャルカットバックのフレームデザインを選択している。さらにラミネートベニアの22はロートランスのインゴットを使用したとしても、それだけではマスキングが不十分であるため、可能な限り唇側面をカットバックして不透明陶材を築盛するためのクリアランスを確保した。図21a、b aはLT A1インゴットのフレームの左半分に不透明陶材Deep Dentinを0.6mm築盛したもの。bはLT A1インゴットのフレーム左半分にステイン材SD2を塗布したもの。色調再現に不利な変色支台歯や切縁側から歯頚部側まで広範囲に及ぶレジン支台歯の環境下でステイン法を選択した場合、bのように明度低下を引き起こしやすい。このような環境下の場合、築盛スペースを確保し、レイヤリング法でaのように不透明度の高い陶材を築盛してマスキングした方が優位となる。図22 スプルーイング。LT A1Deep Dentin0.6mmLT A1SD2ba

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