歯科ITサービス入門
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巻頭企画 ・・・ 17歯科クリニックの最新業務効率化戦略③患者データの集計機能 実はこういったITツールを利用する大きなメリットは経営数値データを収集できることである.例えば,キャンセル率,キャンセル内容の内訳(当日電話キャンセルや無断キャンセルなど)定期健診患者の来院率,中断患者のリスト化,等々である. これらの経営データを収集し,行っている施策がどれほどの効果を上げているか,を確認し,医院の改善に生かしていくことは,歯科医院経営において必須の事項と言えるのだが,今まではこれらの作業を手作業でノートに記入し,エクセル等のソフトに入力し直し,計算するという手法が一般的であった.これらは作業時間と労力がかかり,ミスが発生する可能性があることから,ITツールを導入することで大きな改善が期待できる.▶ レセコンおよび電子カルテ レセコンは歯科医院で近年,導入,普及が進んでいるITソフトである.弊社の顧問先歯科医院では基本的にすべての医院でレセコンを導入している.これらは診療報酬の請求上,利便性が高いことから,普及が進んだものと考えられる. またカルテに関してはカルテ入力ソフトを利用図6 自動釣銭機(画像提供:グローリー).図7 自動精算機(画像提供:グローリー).し,カルテ入力を終えた後,印刷を行い,カルテファイルに保管しているケースが多いようである.この点は今後改善の余地があるだろう.カルテ印刷する手間と保管コストを削減するため,カルテ情報をPC上に保管し,必要な際にアクセスして閲覧するという業務フロー(電子カルテシステム)が増加すると考えられる(図4,5).▶ 自動釣銭機・自動精算機 自動釣銭機や自動精算機(図6,7)はこの1~2年の間に導入する医院が増加傾向にある.自動釣銭機は患者から現金をお預かりし,受付スタッフが釣銭機に投入することで,自動的に釣銭が出てくる機械である. 一方,自動精算機はいくつかの種類があるが基本的には患者が機械に現金等を投入し,自動的に釣銭が出てくるという機械である.機械によっては,次回の予約日時をお知らせする用紙が出力される機能やキャッシュレス支払いに対応する機能を持つ精算機もある. 自動釣銭機・自動精算機を導入するメリットは,受付の業務を減らす,あるいは釣銭ミスをなくすことができるということはもちろんであるが,業務終了後の締め作業が大幅に削減できることが挙げられ

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