歯周病およびインプラント周囲組織の疾患と状態に関する新分類
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Berglundh et al.306ある:・弱圧でのプロービングで出血および/または排膿が存在する.・以前の検査と比較してプロービング値が増加している.・荷重後初期のリモデリングによる辺縁骨レベルの変化を超えた骨喪失が存在する. 以前の検査データがない場合,インプラント周囲炎の診断は以下の組み合わせに基づいて行う.・弱圧でのプロービングで出血および/または排膿が存在する.・プロービング値が6mm以上である.・インプラント周囲辺縁骨レベルが,あるべき位置より3mm以上根尖側に存在する. 炎症の視覚的徴候はさまざまである.また,歯肉退縮はプロービング検査から計測する.疫学調査や疾病調査において健全なインプラント症例やインプラント周囲粘膜炎の症例をどのように定義するか? 日常臨床において,インプラント周囲の健康状態とインプラント周囲粘膜炎を定義するのに使用されたものと同じ基準が疫学調査にも適用されるべきである.疫学調査や疾病調査においてインプラント周囲炎の症例をどのように定義するか? インプラント周囲炎の診断には以下の要素を満たす必要がある:・弱圧でのプロービングで出血および/または排膿が存在する.・以前の検査と比較してプロービング値が増加している.・荷重後初期のリモデリングによる辺縁骨レベルの変化を超えた骨喪失が存在する.疫学研究では,辺縁骨レベルの変化を測定する際の誤差を考慮すべきである.骨喪失量は,測定誤差を超えた閾値を設定し報告されるべきである(平均0.5mm). 疫学研究は,理想的には荷重後1年後に行われたベースラインの検査を含むべきである.ベースラインのエックス線検査がない場合,BOPを伴う,インプラント周囲辺縁骨レベルが,あるべき位置より3mm以上根尖側に存在するインプラントをインプラント周囲炎と診断する.謝辞および開示 ワークショップの参加者は,ワークショップのトピックに関連する利益相反の詳細な開示を事前に提出し,これらはファイルに保管された.著者は,以下の会社から講義報酬のみ,あるいは研究資金,コンサルタント料も受領している: BioHorizons, Dentsply Sirona, Geistlich Pharma, Intra-Lock, ITI Foundation, J. Morita, LaunchPad Medical, Maxillent, Medtronic, Osteogenics Biomedical, Osteology Foundation, Straumann, SUNSTAR.参考文献1. Araujo MG, Lindhe J. Peri-implant health. J Periodontol. 2018;89(Suppl 1):S249–S256.2. Heitz-Mayfield LJA, Salvi GE. Peri-implant mucositis. J Periodontol. 2018;89(Suppl 1):S257–S266.3. Schwarz F, Derks J, Monje A, Wang H-L. Peri-implantitis. J Periodontol. 2018;89(Suppl 1):S267–S290.4. Hämmerle CHF, Tarnow D The etiology of hard- and soft-tissue deciencies at dental implants: a narrative review. J Periodontol. 2018;89(Suppl 1):S291–S303.5. Renvert S, Persson GR, Pirih FQ, Camargo PM.Peri-implant health, peri-implant mucositis, and peri-implantitis: case definitions and diagnostic considerations. J Periodontol. 2018;89(Suppl 1):S304–S312.この原本を引用するには:Berglundh T, Armitage G, et al. Peri-implant diseases and conditions: Consensus report of workgroup 4 of the 2017 World Workshop on the Classification of Periodontal and Peri-Implant Diseases and Conditions.J Periodontol. 2018;89(Suppl 1): S313–S318. https://doi.org/10.1002/JPER.17-0739図1 ワークグループ4の参加者.

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