がん手術と口腔衛生管理心臓手術と口腔管理脳卒中手術と口腔管理臓器移植手術と口腔管理人工関節手術と口腔管理頭頸部がん放射線治療と口腔管理がん薬物療法と口腔管理人工呼吸器関連肺炎と口腔管理顎骨壊死と口腔管理緩和ケアと口腔管理第2章 周術期等口腔機能管理の実際79図2a,b 下顎MRONJに対する手術法図3a~d 上顎MRONJに対する手術法a:下顎骨辺縁切除.b:下顎骨区域切除.a:上顎骨部分切除 術前.b:上顎骨部分切除 術後.c:ESS併用 術前.d:ESS併用 術後.悪影響が懸念されること,さらには保存療法中に病変の拡大を認めることがしばしばあることなど,さまざまな問題があり,外科療法を第一選択治療とするのが適切である. 下顎骨発生例では下顎骨の連続性と下歯槽神経の温存が可能な下顎骨辺縁切除を行うことが多いが,病変が下顎下縁まで及んだ場合は下顎骨区域切除(+再建術)が施行される(図2).上顎発生例では上顎骨部分切除が一般的である.いずれの場合も創部は完全閉創することが望ましい.また,上顎発生例では上顎洞炎の併発が約半数にみられる.炎症が上顎洞に限局している場合は壊死骨切除により上顎洞炎も治癒するが,篩骨洞など他の副鼻腔に波及している場合では壊死骨切除と同時に内視鏡下副鼻腔手術(ESS:endoscopic sinus surgery)を行うこともある(図3).MRONJの大多数の患者は外科療法によ
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