「舌が痛い!」という患者さんが歯科医院に来院した時に読む本
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43第4章 視診・触診時に必要な基礎知識と舌の状態および粘膜疾患アトラス● カルテなどに記載する表現長径,短径,高さを計測して○mm×○mm×○mmと記載する(微小な病変が多発している時などは実際的でないので,粟粒大,小豆大,大豆大,小指頭大,拇指頭大,鶏卵大などと記載することもある).2.触診(硬さ,境界,その他)3.動きと感覚を診る2)大きさ図4-8m 硬さの確認.図4-8n 触診時には硬さ,境界を確認する.境界においては病変と周囲健常部粘膜との境が明確か,不明瞭かを診る.硬さや境界以外にも得られる情報を記載する.図4-8l 大きさの計測.図4-8o 指示どおりに舌を動かせているかの確認.図4-8 「視診,触診,動きの感覚を診る」の流れに沿って診察を行います.カルテや診療情報提供書には,図内の表現を用いて記載します.4.実際に診察してみよう!  前述のとおり,診察は「①視診→②触診→③動きと感覚を診る」という順番で行います.まず視診ですが,ここではいきなり口の中を診るのではなく,顔色や顔の腫れ,また,精気があるかないか,歩行や姿勢,会話なども観察し,全身の身体的,精神的な健康状態を把握することが大切です.そのうえで,図4-8に示す流れに沿って,「①視診→②触診→③動きと感覚を診る」の診察を行ってみましょう.図にはカルテや診療情報提供書の作成時に記載する表現も併せて示しています.さらに,表4-1に視診と触診によってわかる舌の主要な解剖学的特徴や状態と疾患名の一覧を示します(詳細は次項を参照).舌の疾患には,これだけの種類があることを頭にいれて,「①視診→②触診→③動きと感覚を診る」に臨みましょう.● カルテなどに記載する硬さの表現軟:柔軟,弾性軟,泥様柔 硬:弾性硬,軟骨様硬,板状硬,骨様硬,歯牙様硬● カルテなどに記載する表現動き(突出,側方移動) 感覚(知覚,味覚など)● カルテなどに記載する境界の表現明瞭,不明瞭● その他波動,圧縮性,捏形成,羊皮紙様感,拍動性,握雪感,局所熱感,可動性,硬結,圧痛

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