「舌が痛い!」という患者さんが歯科医院に来院した時に読む本
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42「舌が痛い!」という患者さんが歯科医院に来院した時に読む本「①視診→②触診→③動きと感覚を診る」の流れのポイント図4-8b~d 舌を前方に突出させてガーゼで舌尖部を保持して診察.b:舌背を診る.c:舌縁部を診る.d:舌下面を診る.bcd図4-8a 診察のポジショニング.図4-8g びらん.図4-8e ポリープ.図4-8h 潰瘍.図4-8i 色調の確認.図4-8j 紅斑.図4-8k 紫斑.図4-8f 丘疹.● カルテなどに記載する表現水泡:上皮細胞間の空洞で中には組織液を含んでおり,5mm以下を小水疱という.腫瘤:局所の組織の限局性の増大で境界は明瞭で,より範囲が広いと結節という.ポリープ:有茎性の粘膜表面の突出物で,通常は境界明瞭で良性の過形成物である.角化亢進:粘膜上皮最表層の角化層の増加で,通常は白斑状を呈する.嚢胞:上皮細胞からなる壁を有する空洞で,多くは中に液体を満たしている.丘疹:粘膜固有層での炎症性浸潤細胞の増加に基づく限局した盛り上がり.膿瘍:上皮下,多くは粘膜下組織などに膿汁が貯留した状態.腫脹:病変の局所が腫れていること.外傷や炎症の場合は局所の循環障害で,腫瘍の場合は実質組織の増殖による.肥大:組織構成成分の体積がそれぞれ増大したもの.● カルテなどに記載する表現アフタ:粘膜の円形または楕円形の比較的浅い小潰瘍,潰瘍底は灰白色で周囲に発赤(紅暈)をともなう.びらん:口腔粘膜上皮の変性,壊死による上皮層までの剥離・欠損.多くは紅斑や水泡に続発して生じる.潰瘍:粘膜固有層にまで達する組織欠損.場合によっては筋組織や骨にまで達することもあり,びらんよりも深いもの.1.視診1)表面形態①隆起性病変 ②陥凹性病変 ● カルテなどに記載する表現平滑,粗造,光沢など.③表面性状 ● カルテなどに記載する表現紅斑:多くは毛細血管の炎症性充血によるもので,盛り上がりのない赤色病変.白斑:平坦で盛り上がりのない(若干盛り上がることもある)白色病変.紫斑:上皮下の出血(小さなものは点状出血,大きなものは斑状出血)や腫瘍による紫紅色病変.色素班:メラニン色素沈着による黒褐色の限局性病変.単発のことも多発のこともある.④色調 顔色や顔の腫れ,精気の有無,歩行や姿勢,会話など,全身の身体的,精神的な健康状態も併せて把握!jki

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