基礎と臨床がつながる歯周解剖
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Chapter2生体の組織構造と外科術式の関連図2-14 歯肉と歯槽粘膜の血管構造および骨表面性状の違い血管構造(a):歯肉部では毛細血管は粗であるのに対して、歯槽粘膜部では細かい網目構造の骨膜血管網が観察できる。このことから、両者の境界である歯肉-歯槽粘膜境(MGJ)は、臨床的にフラップの内面の血管構造からも判別できるのである。骨表面性状(b):粘膜骨膜である付着歯肉部は、多くのシャーピー線維が骨面に入り込んで歯肉が動かないように固定されていることから、骨の表面が粗い。一方、歯槽粘膜部は一般的な骨表面に存在する骨膜を有することから、骨の表面が滑らかである。このように、骨の表面性状からもMGJの位置は判別できるのである。表2-2 歯肉と歯槽粘膜の特徴歯肉の形態的(解剖学的)特徴は機能的特徴を反映して総じて「強さ」をイメージさせる。歯槽粘膜はその逆で「弱さ」をイメージさせる。このように形態的特徴と機能的特徴はつねに相互に連動している。歯肉歯槽粘膜粘膜の可動性なし(不動粘膜)あり(可動粘膜)機能的特徴咀嚼粘膜被覆粘膜上皮の特徴角化上皮非角化上皮上皮(稜脚)長い短い粘膜下組織なし厚い粘膜固有層厚い薄い血管少ない多い歯肉部上皮性付着部歯肉溝結合組織性付着部歯槽粘膜部MGJ歯肉部骨表面歯槽粘膜部骨表面MGJab骨頂47

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