PRD YEARBOOK 2020
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Ⅱ 乳頭再建術/中田光太郎別冊the Quintessence PRD YEARBOOK 2020図3 Nordland & Tarnow Classification。3つの解剖学的指標を基準点として乳頭の不足を分類する。外科処置を行う際は、この分類に実際の乳頭の不足距離(mm)、骨レベル、根間距離を加味して診断を行うことを推奨している。外科的乳頭再建術外科的アプローチと非外科的アプローチ 乳頭の再建は、歯周治療におけるもっとも挑戦的で予測不可能な治療の1つである。Chowら7は、インプラント周囲乳頭組織の保存、再建術に関して外科的、非外科的術式に大別している。外科的な手法としては硬組織のマネジメント、軟組織のマネジメント、フラップレスサージェリー、フラップデザイン、リッジプリザベーションなどを挙げており、対して非外科的な手法として補綴、修復治療(コンタクトのリシェイプ、プロビジョナルクラウンによるコントロールなど)やインプラントに隣接する歯の矯正的な挺出などのテクニックを挙げている。天然歯も同様に歯列矯正、補綴、および修復処置は非外科ClassⅠClassⅡClassⅢFacial CEJInterproximal CEJInterdental contact pointClass ⅢClass ⅡClass ⅠNormal:乳頭は、コンタクトポイントの最根尖側まで完全にスペースを埋めているClassⅠ:乳頭の先端は、コンタクトポイントと歯間部CEJの最歯冠側の間に位置するClassⅡ:乳頭の先端は、歯間部CEJの根尖側でなおかつ唇側CEJの最深部より歯冠側に位置するClassⅢ:乳頭の先端は、唇側CEJの位置またはそれより根尖側に位置する この4つの分類にコンタクトポイント下のブラックトライアングルの高さを表示する。たとえば、ClassⅠでブラックトライアングルの高さが2mmであれば、ClassⅠ-2となる。乳頭再建を行ううえで、術前術後の変化、結果の評価に利用でき、また術者間のコミュニケーションにも有効であるので、ぜひ覚えておいていただきたい(図3)。141141

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