PRD YEARBOOK 2020
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Ⅰ Apically Positioned Flapによる歯冠長延長術/根本康子別冊the Quintessence PRD YEARBOOK 2020MGJ1mm①②縦切開 部分層弁を根尖側に移動させるため、縦切開は原則必要である。骨外科処置を行う部位の隣在歯の近心(遠心)隅角部に、根尖側に垂直に歯肉歯槽粘膜境(MGJ)を超えて3〜5mmまで(弁の移動量により)、深さは歯肉の約半分ほど入れる(骨面には達しない)(症例e①、e②)。部分層弁で切開剥離 ライニングした歯肉辺縁切開部より#15のメスを挿入し、付着歯肉内に骨と平行に刃を進ませながら骨膜を残し部分層弁を形成する(ディープニング)(症例f)1。MGJを超える部分は穿孔しやすいので注意が必要である。MGJの直上まで切開剥離したら、f症例g① APFで使用するメスは、#15、#12、#15c。症例g② ①MGJの1mm手前まで切開剥離したら、②MGJ部は刃先の向きを変えて根尖側からかき上げるように切開する。参考症例1、2 口蓋側は、歯槽骨頂予測切開。プローブでボーンサウンディングし、その値から1mm引いた位置にまず約1mmほど深さでライニング(画像は別症例)。12MGJ部は刃先の向きを変えて根尖側からかき上げるように切開するとよい(症例g①、g②)。MGJを超えたら、骨膜側の組織の厚みが一定になるように弁の形成を進める。②口蓋側:全層弁で歯槽骨頂予測切開 最終的な歯槽骨頂の位置を想定して切開し、全層弁で剥離する。切開線はポケット除去が目的の場合はプローブでボーンサウンディングしその値から1mm引いた位置に、歯冠長延長の場合は延長(削除)量から1mm引いた位置に、骨削除後の骨頂に歯肉辺縁が位置するように設定する(参考症例1、2)。#15mメスでスキャロップ上に1mm程度深さでラ症例f ライニングした歯肉辺縁切開部より#15のメスを挿入し、骨膜を残し部分層弁を形成する(ディープニング)(小野善弘,宮本泰和,浦野智,松井徳雄,佐々木猛.コンセプトをもった予知性の高い歯周外科処置改訂第2版.東京:クインテッセンス出版,2013.1P100より引用)。症例h 弁の辺縁が厚くならないように刃の角度は口蓋壁に対し約30°にねかせて骨面に達するまで切開を入れ、ライニングに沿って刃を進める(小野善弘,宮本泰和,浦野智,松井徳雄,佐々木猛.コンセプトをもった予知性の高い歯周外科処置改訂第2版.東京:クインテッセンス出版,2013.1P102より引用)。131131

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