プラーク・歯石除去の基本と原則
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手用器具によるインスツルメンテーションの限界 Chapter1で述べたように、宿主における病因を、炎症性の病気の発症レベル以下に下げるために、スケーリング・ルートプレーニングの成功は臨床家と患者の能力にかかっている。手用器具を用いることは口腔内のいくつかの部位で特に限界があり、それはこの目標の達成を危うくする。適切な指のレストをとり器具の利点を用いて効果的に機能させるが、適切に挿入したり適合させられない臨床家にとっては、いくつかの限界が存在する。この状況は通常、臼歯部の深いポケットや分岐部で起こる。 手用器具のさらなる特異的な限界としては、器具の大きさによっては特定の部位へ到達しないことである。これは小さい根面溝の場合や、歯根近接部で起こりうる。 歯周治療のすべての手用器具は、臨床家が使用時に起こる力に耐えられる十分な強さと大きさでなければならない。この強さは、シャンクと操作する先端の金属の種類、大きさによる。 Bower3、4は、複根歯の根分岐部の入り口の直径に対して、スケーリング・ルートプレーニングのもっとも繊細であると考えられる歯周キュレットの作業端の大きさがどれぐらいなのかを評価した。上顎臼歯と下顎臼歯の入り口の多くは、1㎜であるキュレットのブレードの平均幅より小さかった(図3-10、3-11)。Bowerはまた、複根歯の内部の構造も評価し、手用器具は分岐部内部にある多くの複雑さを克服することについては効果がないと結論づけた。53インスツルメンテーション

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