プラーク・歯石除去の基本と原則
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にもっとも影響を受けやすいので、適切な清掃が重要である5。歯間清掃用具デンタルフロス デンタルフロスは、歯間清掃用具としてもっとも持続的、かつ広く推奨されており、さまざまなタイプのフロスがある。フロスには、ワックスタイプ、アンワックスタイプ、丸あるいは平らなスポンジ状のものや、太さや香り、色などさまざまである。幅広い品揃えであるが、研究によると、フロスを定期的に使っている成人は、ほんの18%にすぎないという。 多くの臨床家が好みのタイプのフロスを患者に推奨しているだろうが、いくつかの研究で、フロスのタイプが異なっても清掃の程度に違いがないことが示されている。Smithとその共同研究者による研究は、異なった歯面に対し、4つの異なったタイプのフロスを使用し、清掃の効果を評価している6。ワックスタイプのフロスはざらざらした面に対してより効果的であったが、滑らかな面や歯根面では有意差はなかった。結局、使用するフロスの選択は患者の好みによる、ということである。 デンタルフロスは、歯頸部に挿入し、歯肉縁下のプラークを除去できる補助用具の1つである。健康で正常な歯間乳頭であれば、デンタルフロスは歯肉と歯周靱帯に損傷を起こすことなく、乳頭の歯肉頂から縁下へ2~3.5㎜正確に挿入できる。しかしながら、歯肉溝上皮の剥離が起こることがあるため、患者の歯肉縁下テクニックには注意深くチェックすることが重要である。いくつかの外傷は、不適切なフロッシングと関係があり(図2-11、2-12)、フロスのあて方および動かし方は重要である。乱暴な動かし方や過剰な圧は、組織の裂傷を起こすからである。フロスはコンタクト部を通すとき、“プツン”と切れないようにする。外傷を繰り返すと、結果として軟組織のクレフトを引き起こす可能性もある(図2-13)。健康な歯肉の維持には、動かし方をコントロールすることは不可欠である。正しい方法を獲得してもらうために、口腔衛生指導の段階で適切な22患者によるプラークと歯石の機械的除去

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