プラーク・歯石除去の基本と原則
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である。 比較研究の結果から、歯石除去においては、オープンアプローチはクローズドアプローチで行うより効果的であることがわかっている9、10。クローズドアプローチに比べてオープンアプローチは歯周ポケットが深いほど、また縁下歯石の沈着が深部になればなるほど有効である。最近の研究では、相対的な歯肉縁下歯石の除去については、治療の方法がクローズドであるのかオープンであるのか、あまり問題にされていない。 長期的な治療の結果によると11、12、歯石除去においてもっとも慎重な処置は、術野を閉じた状態でスケーリング・ルートプレーニングを最初に行うことである。これは外科的処置に患者をさらすことのない有効な方法である。そして歯科医師、歯科衛生士どちらも実行できる。前述したように、治療の評価は術後の歯周組織の炎症反応によって行われるべきである。術野を開いて行うオープンアプローチは、クローズドアプローチでの治療が不完全だった場合に適応される。 上記の順序で治療することによって、クローズドアプローチで反応可能なすべての部位に対応できる。より積極的で費用のかかる治療には、手術した組織の反応、縫合、そして厳しいフォローアップが必要となり、クローズドアプローチで十分でないケースに限られる。 慢性的な炎症性歯周疾患患者の継続的治療は以下のようにすべきである。1 患者が日常生活でプラーク除去を有効かつ能率的にできるために、個々に適した口腔衛生プログラムを開始する。2 少なくとも7~14日間後に、プラーク除去による歯肉の状態を再評価する。もし組織に炎症が残っていれば、歯石が炎症の原因と疑われ、クローズドアプローチでのスケーリング・ルートプレーニングを開始する。すべての歯肉縁上・縁下の沈着物が除去されるべきである。患者の快適さと利便性のために、治療は1回、あるいはそれ以上必要となる場合がある。そして鎮痛剤あるいは局所麻酔を使用することもある。3 組織反応の評価は、組織が治るのに十分な時間(6~8週間)が経過した後に繰り返す必要がある。もし変化がなく炎症が残っていれば、それらは外科的処置を含む積極的な治療を行うべきである。10プラークと歯石の除去に関する理論的根拠

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