プラーク・歯石除去の基本と原則
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図1-7. シクロスポリン摂取患者の正面観。図1-8. 図1-7と同じ患者の右側頬側面観。ある種の薬を摂取している患者にみられる異常な歯肉の豊隆。このような豊隆はプラーク除去処置を困難にさせる。クローズド・オープン・スケーリング・ルートプレーニング 歯石を除去するために、多くの方法が提唱されている。それぞれの方法については、本書の後半で詳述する。歯肉の豊隆に異常がなければ、歯肉縁上の処置は、歯石も見え比較的簡単である(図1-7、1-8)。また処置後の歯肉辺縁組織の反応の見極めも容易である。 一方、歯肉縁下歯石の除去方法については、議論の余地がある。主に、器具のタイプ(手用/機械、電動)は適切であるか、その処置はクローズドアプローチ(歯肉溝に器具を挿入し、触覚で操作する)でなされるべきか、あるいは外科的処置によってオープンアプローチ(明視下)で行うのかが論議の的である。 クローズドアプローチは時間がかからないという利点がある(組織の切開、組織の反応、縫合、術後のフォローアップの必要がない)。このようなスケーリング・ルートプレーニングは、歯科衛生士によって行われることがあり、治療費が抑えられる可能性もある。 多くの臨床家は、明視下で行うスケーリング・ルートプレーニングでは器具操作がしやすく、歯石沈着の状況が直接目で確かめられるという点で効果的であると主張している。それらの利点は、明視下で行うために必要な追加の作業や、組織の切開などをともなう治療が歯科医師以外の歯科医療従事者では合法的にできないという事実に大きく勝るもの9歯石

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