イラストで学ぶ エンドのバイオロジー
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04 まずは,本書“イラストで学ぶ エンドのバイオロジー”を手に取ってページをめくってみてください.イラストの多さと平易な解説文に引き込まれることと思います. 本書は,the Quintessence(2012年)で連載され好評を得ていた“イラストで学ぶ エンドのバイオロジー”を一冊にまとめ再編集されたものです.本を開くと,執筆された吹譯景子先生(ふきわけファミリア歯科 副院長)が本のタイトルに“イラストで学ぶ”を冠させたことに加え,“患者さんと誠実に向き合い食べる楽しみと素敵な笑顔のためのサポートをします”という先生の診療姿勢も感じ取れることでしょう. やはり本書の注目すべき点は,まさに“イラストで学ぶ”という通り豊富なイラストにあり,その数は本書の全ページ数を超えています.まず各章の扉にはその章をイメージするイラストが付されていますので,文章を追いながら扉のイラストの解説を確認するのもよいでしょう.また,各章の“まとめ”前ページには章を“おさらい”できる解説付きイラストもあり,最終章にはこれまでのポイントになるイラストに加えて,臨床例のデンタルエックス線写真,CT像および三次元構築像も掲載されています.もちろん,読者の興味あるイラストを適当にピックアップして解説を確認されても理解しやすいような工夫もされています. また,解説文は基礎に忠実でありながら教科書的な鈍重な文章にならず,平易な表現で綴られています.多くの例えも用意されていますので,創傷治癒機転や慢性炎症をどのように例えているか,ぜひ本書を手に取ってご確認ください.もちろんこれらの例えにもイラストが用意されており,その解説に納得されることと思います.患者さんへの説明にこの例えを使用されたり,それをヒントにご自身でアレンジされてもよいのではないでしょうか.私も本書原稿を読み進めるにつれ学部学生への講義に関して改めて考えさせられました. 著者の吹譯景子先生は,当分野にて研究を積まれ学位(博士)を修得し,研究者としての経験も持ち合わせておられます.先生とは15年余りのお付き合いになりますが,大学院生時分より研究に邁進するのみならず,周りの方にご自身の研究成果を如何に理解してもらうかまで創意工夫される方でした.このような真摯な姿勢は,これまでの多くの講演会や本書に生かされております. ぜひ診療室や机に置いて,歯科医師やコメディカルスタッフ自身の知識の整理や患者さんへの解りやすい説明など,種々の場面で存分にご活用して頂きたい本です. 重ねて,まずは本書“イラストで学ぶ エンドのバイオロジー”を手に取ってページをめくってみてください.2020年 立夏清島 保九州大学大学院歯学研究院口腔顎顔面病態学講座口腔病理学分野 教授推薦のことば

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